Alpair5v3SSRectanglar (Gold/Grey)

解説

Alpair5v2SSはMarkaudioの小さな代表モデルです。
第2世代Alpair5はコーンの背面にダンパーも磁性流体(Ferrofluid)によるダンピングもなく、駆動する音楽信号を物理的な抵抗はエンクロージャーの空気抵抗のみと言う状態で再生します。

この異次元の繊細感(空気感、弦の弾ける音、ボーカルの喉の震え唇にあたる息の生々しさなど)人間の感性は聴いた瞬間にその違いを体感し虜にします。



第一世代Alpair5  
 2005年に発売された初代 Alpair 5 は ” a light-load single suspension (free-to-air) ”フルレンジスピーカーとしてMarkaudioのAlpairシリーズの第1号として発売されました。
磁性流体(Ferroufluid)を使用したシングルサスペンションとして発売され、その革新的な技術により『今まで聞こえなかった音が聞こえる』と評価されました。2007年に製造完了以降も熱烈なファンから再販の問い合わせを幾度となく頂いておりました。

第2世代 Pure Single Susupension
Mark Fenlonは2014年秋に開発を開始し最初にアイデアを実現したモデルがAlpair5v2SSです。
本当に繊細な音は『衣擦れの音が聞こえる』と言った表現では語れない体感の世界です。いかに音楽信号が微細な波形を含んでいるかを身をもって知ることになりますが、それはあまり派手な音では無く聞けば聞くほど心地よさを誘う音と言えば適切でしょうか?是非皆さんも体験して頂きたい世界です。
第3世代 Rectangular Voice Coil
このRectangular銅線はMAOPに使用されている非常に高価なボイスコイルです。Alpair5v2SSはコイルを軽くするためにアルミ蒸着銅線を使用しており圧倒的に軽いMMSを実現しているのですが、高域に向かってエネルギーが強くなる傾向があります。今回はこの部分の改良です。Rectangularとは平角銅線のことです。銅線を加工して断面が長方形になっています。Rectangular線は同じ断面積の丸線と比べて磁界での駆動効率が約30%改善されます。そのため結果的に巻き数を減らす事になり、結果的にアルミ蒸着コイルと同等の軽さを得ることが可能となります。
純銅の音の柔らかさと1.8gMMDの軽さを実現していますが、高価なコイルをどうやって料金に反映しないかが課題でしたが、ブログに説明した様に実利を取ることにしました。この良い音を是非体感してください。

MMS1.9grams with X-max3.5mm

MMS:(駆動部重量(VC、コーンなどに空気抵抗を加えたもの)を示す数値です。エンジンのピストンとクランクシャフト部分に燃焼室の空気抵抗を加えた等価重量をイメージするとこのパラメーターの意味がよくわかります。この重量をメタルコーンを使用しながら1.9gの重量を実現しています。軽く早くまさにレーシングエンジンです。

Shallow cone :浅いコーンプロフィール。Markaudioのコーンは年々浅くなっています。浅くするほど設計が難しくなり、また量産には深く厚く設計する方が確実です。しかし音には悪影響があります。フロントホーンロードがかかってしまい音量を上げると中域がボーボー言う付帯音が強くなります。また志向性が強くなるのでリスニングルームで30°の範囲しか良い音がしないなどと言う大きな欠点があります。




T/Sパラメーター

  • Revc=3.4Ohm
  • Fs= 94.5 Hz
  • Sd= 2.8K mm
  • Vas=1.78 Ltr
  • Cms= 1.6K uM/N
  • Mmd=1.85g
  • Mms= 1.93g
  • BL= 2.49 T·M
  • Qms= 2.3
  • Qes= 0.64
  • Qts= 0.50
  • L1kHz= 0.04 mH
  • L10kHz= 0.017 mH
  • No= 0.21%
  • SPLo= 85.45 dB
  • X max= 3.5-mm (1 way) 
  • Max power handling = 10W (nom)

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